世界中で出会ったスノードーム
いつの間にか世界を旅するときには必ず購入するようになったスノードーム。 ガラスの中の小さな空間にぎゅっとつめられた世界。 そこは雪の降る世界。 ドームを見ると、そこに立ち寄った記憶が蘇える。
小さい頃に祖母がカラフルなプラスチックが入った、ほんとに雪の世界のようなスノードームをくれたことがあった。 それは世界の有名な建物が入っているものではなく、インテリア的なオブジェだった。 紫色の台座で、なんとなく暗い感じのするものだった。 いつもベッドのあたまのところに置いていた。 ある時、遊んでいてエアガンを誤って撃ってしまいBB弾は思ってもいない方向へ。 そのスノードームは瞬間的に割れた。 思っていた以上にあっさりと割れてしまった。 その瞬間とても大事なモノを失くした気がした。 きれいなものは、はかなないとは言うけれど、そのはかなさを自分で招いてしまった。 小さいながらにして、大きなものを心に刻み付けた気がする。
それから歳をとり、学生の時にロンドンに行った。 カムデンのマーケットで目にしたアンティークのスノードームに魅せられた。 そこから小さい頃の心の痛みを埋めるように、 世界を旅すると購入するようになった。
球体の水の中には、その土地のとびっきりの自慢が入っている。 球体を支える下の台座部分にも注目。 例えば、スペインのグエル公園のスノードームの台座には、ガウディが建築した建物がずらりと並び、 イギリスのロンドン橋のスノードームの台座には、ダブルデッカーバスが走っている。
日本スノードーム協会によると、スノードームが最初に作られたのは19世紀前半。 ペーパーウェイトとして使われていたそうだ。 その後、1889年のパリ万博で完成直後のエッフェル塔をスノードームにして発売し、万博を訪れた人々によって世界に広がったとか。 今では世界中の観光地で売られている。
スノードームは大人が真剣に遊びゴゴロを存分に発揮した小宇宙だ。 だからこそ、とっても愛しく思える。 これからも世界を巡り、出会うであろうスノードームを大切に、集めていきたい。
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